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11月の十七日寄席は年末(⁈) 恒例の桂小すみさんの会です。
まず一席目は、小すみさんが大好きで東京大神宮にも縁の深い「伊勢音頭」から。本来なら「ヨーイヨーイ」の掛け声がつきものですが、時節柄もう少しの間だけ“コールアンドレスポンス”はおあずけです。

いつも一席目では今年一年の近況報告があるのですが、昨年は中止となったため小すみトークはアクセル全開!三味線を抱えたまま止まるところを知りません。

ひとしきり喋り終えて、今回のテーマ「うさぎとかめ」にちなんで、大薩摩の三味線に、皆さんもご存知の「むかしむかし浦島は~」の七五調の歌詞をのせます。童謡の詞と、技巧を凝らした大仰な三味線のミスマッチが滑稽です。
いったん高座を降りて、お次は「月のうさぎ」。浄瑠璃は物語を語りますが、その中では長唄寄りの構成になっているという“唄浄瑠璃”。「杵屋佐之萠」という長唄の名取でもある小すみさんが、うさぎとかめの話を語り唄います。

後半は装いを改め、また新しい趣向。家の片付けをしていたら“発掘”されたのが、12年前に作曲したという「うらしま」。丹後の出であるという浦島太郎の伝説と、第21代雄略天皇の治世、横浜に残る“浦島”の地名など、話は時代と空間を越えて縦横無尽に駈け巡ります。

そして、特別な演出が。まずは箏。学生時代に習ったときの“携帯用”のミニ箏

膝には三味線、前には箏。山田流の先細り型の爪で演奏します。

そして本題に入ると照明を落とし、持参のプラネタリウムで天井には星が!

(写真提供:松本様)
暗闇に星が浮かぶ中、三味線と箏の音に万葉の世界に思いを巡らす小すみさんの歌が乗り、なんとも幻想的。それに加えて、ガラス窓から漏れる街の灯りが赤に青に金に映り、計らずも素敵に美しい光景でした。
そして〆めは、お馴染み浮世節の「たぬき」。ありとあらゆる技巧を駆使した、約15分に及ぶ大曲に、会場一同酔いしれました。

以下は当日のアンケートです。
●とても良かった。この2年間、私が学んできたいろいろな事が小すみさんの音と話ですっきりまとまりました。ありがとうございました。(江東区・木村様)
<唄と三味線だけでなく、小すみさんの思いも伝わってきましたね。>
●「うらしま」の曲とても幻想的で鎮魂の感じがして良かったです。2年ぶりに「たぬき」が聴けて楽しかったです。(庄司様)
<新曲と定番、どちらもお楽しみいただけてよかったです。>
●とても楽しませていただきました。場内暗くした時に、右の窓の外、海底の様でした♪(練馬区・ゆっき~様)
<まさに竜宮城を思い起こさせる光景でしたね。>
●とても楽しみにしていました。大変興味深い話ばかりで、小すみさんの人柄も話し方も大好きです。とーーっても楽しかったです♡(江東区・氏家様)
<ご期待以上にお楽しみいただけたようで何よりです。>
●「うさぎとかめ」に思わず笑ってしまいました。歌詞と三味線の落差、これぞ「異化効果」。(片寄様)
<小すみさんの丁寧な解説のおかげで、無知な私も楽しめました。>
●ひさしぶりに小すみさんの声と演奏を聞くことができました。例年とは少し変わって小すみさんの進化を感じました。これからもご活躍ください。楽しみにしています。(市川市・木ノ内様)
<寄席の高座に上がられるようになってから、さらにパワーアップされていますね。>
●光にとけて アロケロのタゴールダンス、楽しく踊りたいと思いました。身体の中からリズムがみなぎってきました。三味線の音、大好きです。ありがとうございました。(市川市・木ノ内様)
<音と光の幻想的な空間でした。>
●小すみさんの単独の会は初めてうかがいました。Youtubeの fiy me to the moon も大好きです。とても楽しかったです。かちかち山のくだり、当代の師匠できいたことがあったのですが、たぬきという長い曲だとはじめて知りました。(東久留米市・髙槻様)
<当代の立花家橘之助師匠の「たぬき」も素敵ですよね。それぞれに楽しめるのも古典の魅力だと感じます。>
●とても楽しい時間をありがとうございました。演奏、ステキでした!幅の広いお話と確かな技術の演奏。まさかの暗闇での「演奏まで!あっという間の2時間でした!(練馬区・小柊様)
<高座ごとに趣向が変わり、楽しい時間でした。>
●「月のうさぎ」のお話、知っていたということを思い出しました!三味線と尺八で語られると、なお一層心に染みますね。「たぬき」初めて聴きました。大迫力でした!!三味線の音をたっぷり浴びられ、楽しかったです。ありがとうございました。(八千代市・となかいの母様)
<「たぬき」は毎回演奏してもらいますので、次回も是非お楽しみに。>
上記のほかにも、お答えをいただいています。
●新曲、大曲すばらしかったです。(みづは様)
●来てよかったです。すばらしかった(台東区・河合様)
●四曲いずれもすばらしかったです。(葛飾区・森本様)
●楽しいおしゃべりと素敵な演奏でした。(文京区・春雨や痛風様)
●演奏もお話もとても楽しかったです。浦島の解釈、おもしろい!!! スバラシかったです。(江東区・土谷様)
●いつも楽しく拝聴しています。“うさぎ”の話は大変良かった。(横浜市・仏〈の加藤〉様)
本当に多くのお客様からの熱のこもったご感想から、当日の熱気が伝わるかと思います。ご協力いただきました皆様、ありがとうございます。
- 2021/11/18(木) 17:30:29|
- 十七日寄席記録
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10月の十七日寄席は春風亭朝之助さんの会でした。
あいにくの雨模様で肌寒い中お越しいただいた皆様、本当にありがとうございます。
一席目は駅前の赤提灯、屋台のおでん屋の鍋の中。おでんネタ達が思いを巡らせる「ぐつぐつ」という噺で、柳家小ゑん師匠による名作。朝之助さんには珍しい新作落語です。細かなギャグも原作に忠実に演じ、次第に鍋の世界に引き込まれました。

続けて二席目は「強情灸」。熱さに耐えるその様子は、本当に灸をすえられているのではないかと思うほど迫真の表情でした。
中入りを挟んで三席目は、ネタ出しの「宿屋の仇討ち」。“しじゅう”三人の江戸っ子は宿に着くなり大声ではしゃぎ。ゆっくり休みたい侍とは対照的です。朝之助さんの通る声が、江戸っ子のバカ騒ぎを引き立てます。

今回も検温、消毒、ソーシャルディスタンスにご協力いただきありがとうございます。

当日のアンケートをご紹介します。
●朝之助さん、時代物お上手です。(目黒区・山内様)
<若くて達者な朝之助さんの魅力あふれる高座でしたね。またのご来場をお待ちしております。>
●元気がよい落語。丁寧に演じていてよい。(横浜市・高橋様)
<元気で丁寧、まさにお言葉通りだと思います。これからも応援よろしくお願いします。ありがとうございます。>
以上、ご協力ありがとうございます。
- 2021/11/17(水) 14:09:00|
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