コロナウィルスの影響を鑑み、3月の会より開催を見合わせていた十七日寄席ですが
4月に緊急事態宣言が発令、GW明けの延長を受け
4月と5月も中止となりました。
5月25日の緊急事態宣言解除を受け
東京都もより具体的な指針を発表する中
寄席をはじめ、各演芸会も徐々に再開し始めました。
当会も、開催をめぐって熟慮の結果
十分な対策を講じた上で開催の運びとなりました。
では当日の様子をお伝えします。
まず椅子は通常と異なり、余裕を持った配置としました。
(座席間隔2メートル以上という基準が緩和されたため)
お客様がいらっしゃる前に全席にアルコール消毒を噴霧。

接客担当のスタッフはマスク、フェイスシールド、ゴム手袋を着用

入場前にはすべてのお客様に検温を実施しました。

開演前と仲入りには窓を開け、換気を行います。

公演中は上部の窓のみ開放しました。

さあ、いよいよ開演です。その前に、鯉朝師匠による前説。
そして一席目は昨年9月、二ツ目に昇進した春風亭昇輔さん。

昇輔は師匠が二ツ目時代に名乗っていたお名前です。
この日の演目は「蛇含草」。夏にたらふく餅を食べる噺で
この時期になるとよく演じられます。
同じ大食いの噺「そば清」も有名です。
昇輔さんは大きな動きと独自の演出で爆笑の高座でした。
この先がとても楽しみです。
続いて鯉朝師匠の一席目「街角のあの娘~全長版」です。
師匠自作の当作は師匠を代表する一席で
長年にわたり演じられてきましたが
この日はその“全長版”でした。
上演時間もたっぷりでしたが
濃厚な熱演は充実の時間でした
(もちろん、ソーシャルディスタンスには十分配慮の上、です。w)

仲入り前は、もう当会おなじみとなりました、ねづっちさんです。
落語芸術協会にも所属され寄席にも出演、ますますパワーアップの高座は爆笑必須
「ねづっちです」のポーズも輝いて見えます。

仲入りを挟んでトリの一席は「幾代餅」。
「傾城に真なしとは誰が言うた」
江戸落語で純愛といえばこの噺ですね。

コロナ対策をした上での今回
いつもと異なる環境にも関わらず
出演者の皆さんの熱演と
マスクをはじめ対策にご協力いただいたお客様のおかげで
再開にふさわしい、充実の2時間でした。
そんな記念すべき今回のネタ帳はこちら

以下は当日のアンケートです。
●新型コロナウィルス対策も行き届いていて安心できました。仲入り換気は開けられる窓全てもっと窓を多く開けた方が良いと思います。鯉朝師匠の傑作「街角のあの娘」をじっくり聴くことができ、久しぶりに大笑いしました。「幾代餅」も独自のクスグリが効いていて良かったです。昇輔さん、遅ればせながら二ツ目昇進おめでとうございます。「夜の街」お見事でした。(鶴ヶ島市・大久保様)
<対策に対するお褒めの言葉、ご意見、ありがとうございます。熱気のこもったご感想、励みになります。>
●梅雨なのに天気が良くって、飯田橋の夜風の中で気持ち良く楽しく笑えました♪(中野区・伊能様)
<対策の風通しが功を奏しました。>
●貴重な特別バージョンが聴けて得をした気分です。マニアックなネタの数々に「物を知っているって素晴らしい」と思いました。脳が喜んでいます。(足立区・杉原様)
<濃厚で重厚な一席でしたね。圧巻でした。>
●3か月ぶりに落語を生で見ました! 笑うと心のものが痛みました。久しぶりだから!(町田市・橋本様)
<徐々に徐々に、回復することを祈るばかりです。>
●「幾代餅」とても笑わせて、泣かせていただきました。昇輔さんも久しぶりに拝見させていただいてとても面白かったです。ありがとうございました。また来ます。(横浜市・因幡様)
<うぶな清蔵がかわいかったですね。昇輔さん、将来有望です!>
●去年の動楽亭での江戸噺以来の鯉朝師匠。二ツ目昇進あまぐ鯉さん、もとい、昇輔さんおめでとうございます。米紫師匠の会以来です。大好きペコネタにハズレなし。鯉朝ワールド堪能できました。ありがとうございました。配信、「鯉朝の部屋」楽しみにしてます。(足立区・十鼓とおこ様)
<上方に動画配信に、アクティブですね!次回も是非ご来場をお待ちしております。>
●コロナ禍で本当に久しぶりの寄席。流石に鯉朝師匠、やはり「落語って本当にいいもんですね」初めてのナマねづっちの「整いました」にも感激しました。(葛飾区・宮木様)
<皆さんのその熱い気持ちが、出演者の皆さんの口演と合わさり、とてもよい会になったと思います。ありがとうございます。>
●幾代餅で大爆笑したの、初めてです。楽しかったです。(台東区・吉野様)
<いつもありがとうございます。またのご来場をお待ちしています。>
●久し振りの鯉朝師匠の生熱演に感動致しました!やはりライブは最高ですね。又、聴きに来ます‼(千葉市・ひろさめじ様)
<ありがとうございます。ライブの感動を再び味わいにいらしてください。>
●楽しい時間をありがとうございました。これからも鯉朝師匠と御一門のご活躍を楽しみに致しております。(山梨市・ももくら様)
<遠いところお越しいただきありがとうございます。>
●鯉朝師匠のパワーを感じます。(鉾田市・小沼様)
<こちらも遠路からのご来場、感謝いたします。>
●面白かったです。とても良かった。(葛飾区・森本様)
<ありがとうございます。またのご来場をお待ちしております。>
●神社のすぐ横でオツですね。(取手市・保福様)
<そうなんです、オツでしょう?w>
●初めての十七日寄席。場所もわかったので、次も楽しみにしています。久しぶりの落語、新作のペロちゃんもうなづける面もあり面白く聞けました。(匿名様)
<一度覚えていただければいいところでしょう?師匠、ペロちゃん、かわいいですよねえ>
以上、ご協力いただきありがとうございます。
皆様の熱い気持ちが伝わる、思い出に残る会となりました。
- 2020/06/30(火) 10:44:48|
- 十七日寄席記録
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2月17日は立川吉幸師匠の会でした。
一席目は「元犬」。枕では談幸師匠が猫を飼っていることに触れ、吉幸師匠の視点で笑わせてくれました。本題にも個性的なくすぐりが光ります。

高座を降りずに続けての2席目は「尻餅」。大晦日の噺ですが、年が明けても冬にはよく演じられる演目です。

中入りをはさんで後半は、最近話題の離婚や不倫のゴシップな枕から、豪快なおかみさんが出てくる「洒落小町」へ。喉の調子がよくないという吉幸師匠のしゃがれた声が、おかみさんの豪快さに拍車をかけます。

以下は当日のアンケートです。
●吉幸師独演会、初めてで良かったです。(板橋区・横山様)
<初めてのご来場、ありがとうございます。楽しんでいただけて良かったです。またのご来場をお待ちしております。>
●初めての寄席でした。楽しかったのですが、2部はちょっと…(横浜市・野方様)
<洒落小町のおかみさんが暴走してました。>
●毎回楽しみにしている会です。マクラも良くたのしませて頂きました。また来ます。(新座市・餃子ブルエン)
<いつもありがとうございます。次回はどんなネタがかかるのか、楽しみですね。>
ご協力いただきました皆様、ありがとうございました。
- 2020/02/24(月) 10:12:07|
- 十七日寄席記録
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新年最初の十七日寄席は毎年恒例、瑞姫さんの浪曲の会でした。
三遊亭白鳥作「任侠流れの豚次伝」を、1年に2話ずつ語り続けてきましたが、今年は4回目、いよいよ来年は完結します。
まずは第7話「悲恋かみなり山」。豚次に焦がれるアライグマのオスカルの、美しい愛と悲しい定めが涙すら誘います。

衣装は初春らしい、美しいお着物でした。
お召替えでの第8話は「チャボ子絶唱」
流山動物園の仲間、チャボ子が、豚次のために大活躍します。

チャボ子

今回の教室は、浪曲の作り方。「黒田武士」の台詞を題材に、瑞姫さん独自の研究成果を惜しげもなくご披露くださいました。お客さんも皆さん声出して、楽しんでいらっしゃいました。こういうのはせっかくですから、恥ずかしがってないでやっちゃうのが一番です。

お疲れのところネタ帖をつけてくださっている瑞姫さんの一枚です。

で、そのネタ帖がこちら

今回もアンケートにご協力いただきました。
●また来ます(匿名様)
<お待ちしてます。>
●ストーリーがおもしろすぎる(匿名様)
<三遊亭白鳥作、瑞姫演出・口演の名作ですね。>
●CDが欲しいです。(横須賀市・池野様)
<そんな話も出ていました。お買い上げ第一号ですね!>
●浪曲教室はためになりました。次回も来ます。今回で三回目です。(足立区・荒井様)
<次回の浪曲教室も気になりますね。>
●初めて浪曲というものを聞かせて頂きました。母が瑞姫さんの浪曲をラジオで聞き、すっかりファンになりました。(川崎市・レろぷにリ様)
<浪曲としてはかなり異色だとは思うのですが…(笑)いろいろ聴いて楽しんでくださいね。>
●新作も大変楽しめました。一つ、稲荷は神社だと思うのですが、お紺(?)が真言を唱えるのは不思議です。(文京区・北山様)
<稲荷も大師もありがたいですね。これから金比羅へ向かいます。>
●本日も豚次伝2席+浪曲教室、楽しい口演でした。気が早いようですが、来年1月17日、豚次伝完結(2回目、木馬亭以来)楽しみにしています。CD発表(できれば全10回)期待しています。9月ラジオ出演もよかったです。(鶴ヶ島市・大久保様)
<こちらにも熱心なファンの方がいらっしゃいました。CD、実現しますように。>
●以前から東京大神宮というところに興味があり、3年目にしてやっと来られました。明るいうちにまずお参りをし、暗くなってkらキャンドルを見せていただきました。浅草木馬亭のにぎわいとはまた違った神聖な空気を感じました。こじんまりとした会場、お客様はどんな感じかなど気になっていましたが、珍しく新作物の楽しい演目、現代的なオチ?が飛び出したりと大変楽しかったです。最後の浪曲の作り方は難しかったですが、楽しく歌わせていただきました。(墨田区・更科斗紫輝様)
<力作のアンケート、ありがとうございます。お参りからのキャンドル、演芸。当会の完璧な楽しみ方です!>
以上、ご協力いただきました皆様、ありがとうございます。
- 2020/01/25(土) 12:43:43|
- 十七日寄席記録
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12月の十七日寄席は年末の風物詩、桂小すみさんの会でした。
一昨年まではお囃子の松本優子、昨年は前座、そして今年は晴れて音曲芸人として登場です。
当日の会場はあふれんばかりのお客様。

オープニングはお馴染み、大好きだという「伊勢音頭」。お客さんの「よーいよーい」の掛け声も慣れたものです。東京のお伊勢さまである大神宮での高座はまた一興、小すみさんの思い入れもひとしおです。木遣りの掛け声で始まりマライヤ・キャリーの「恋人たちのクリスマス」に乗せて伊勢音頭の歌詞を歌うのは、その名も「マライヤ木遣りー」。

その後も、前座の体験談や海外での活動、寄席のことなど、一年を振り返り盛りだくさんの話が溢れて止まりません。ボサノヴァの「ウェーブ」に、アヒルの声やひばりの声の笛も飛び出し、忙しい高座です(笑)。しかし最後は「たぬき」でばっちり決めるところがさすが、かっこいいです。
中入りを挟んで後半は春風亭愛橋師匠口演による音曲落語「ぺーる・ぎゅんと」です。

イプセン作、グリーク曲の名作はどれも聞き覚えのあるもの。小すみさんは三味線からピアニカ、尺八、フルート、松本さんの尺八伴奏も贅沢です。

高座の愛橋師匠は早着替えをしたり高座を降りて踊ったりと派手な演出や、時にはダジャレも織り混ぜながらペールギュントの話を進めていきます。

おしまいの追い出し太鼓はカホンという楽器で小すみさん自らが送り出してくれました。

今年もはじめからおしまいまでフルパワーの小すみさんでした。
以下は当日のアンケートです。
●初めての寄席、初めての小すみさん。本当に素晴らしかったです。ありがとうございます。(横浜市・植地様)
<初めての演芸体験を楽しんでいただけてよかったです。>
●前半が良かった!来てよかった。(江東区・木村様)
<小すみさんたっぷりでしたね。>
●楽しいひとときを有難うござざいました。お二人とも芸達者ですばらしかったです。(調布市・よし子様)
<新しい試みが新鮮でした。>
●毎年恒例の12月の楽しい一日でした。たぬき、とても良かったです。(匿名様)
<あっかんのたぬきでした次回もありますのでお楽しみに。>
●楽しかったです。小すみさんになってさらに芸の幅を広げ、これからますます楽しみです。(匿名様)
<来年は何を見せてくださるのでしょうね。>
●10年後はニューヨークのカーライルホテルのクラブに出ているかもしれませんね。(中村様)
<小すみさんならあると思います!>
●たっぷり楽しみました。内容もそうですが、文章もステキです。(中村様)
<毎年ご用意くださる手書きのプログラムは、小すみさんの思いが詰まっています。>
●目の前で見せて頂いて、とても楽しいひと時でした。(葛飾区・中村様)
<ライブは何物にも替え難い魅力がありますよね。>
●バラエティーに富んだたいへんすばらしい一席でした。世界各国を旅した気分です。(越谷市・山田様)
<たっぷりのおしゃべりもとても楽しかったですね。>
●十七日寄席は二回目です。進化していっている小すみさん、今回も一段とグレードupした内容で楽しませていただきました。ペールギュント、愛橋さんとのコンビネーション、多種の楽器も使い、楽しみ方増えました。(市川氏・五関様)
<再度のご来場ありがとうございます。見どころ満載の会でしたね。>
●日本橋での愛橋師匠の会で小すみさんが大好きになりました。十七日寄席の小すみさん(松本優子さんの時から)の会がずっと気になっていましたが、ようやく来ることが出来ました。小すみさんのやわらかいトークと三味線の迫力、美しい声のギャップに涙が出そうになりました。(横須賀市・須藤様)
<お越しいただきありがとうございます。濃厚な時間をご堪能いただけて良かったです。>
●小すみさんの洋楽アレンジ音曲も大好きですが、都々逸や端唄も拝聴したいです。「たぬき」はたった一丁の三味線と一人がつむぐ音曲と思えず、フルオーケストラを感じました。拝聴出来て本当に良かったです。「ぺーるぎゅんと」愛橋さんのスケールの大きい噺と小すみさんの通りすがりの尺八吹きの方の演奏が本当にすばらしかった。(葛飾区・も多笑様)
<来年の「たぬき」はどうなるか、お見守りください。>
●とても楽しいトークと素晴しい演奏で、最初から最後まで、次は何を聞かせてくれるのか、わくわくしながら聴かせていただきました。ジャンルにこだわることなく、常に新しいものに挑戦している小すみさんの人柄がとても好感を持て、ステキですね。三味線、尺八、歌、素晴らしかったです。(松戸市・渡慶次様)
<いつに増して魅力全開の小すみさんでした。>
●小すみさんの語りは宇宙を果てしなくかけめぐるような、深い喜びがありました。お二人ともにチャレンジ精神が旺盛で、驚くばかりでした。愛橋さんの創作落語は過去と現在(今の瞬間)の行ったり来たりの混在感…なんとも言えないおかしみがあり楽しかったです。娘が気持ち良く生きていけますように祈り続けています。今日も大神宮殿に祈ってから参りました。祈りはマザーテレサに学んだような気がします。ソルヴェイグさんの祈りも素敵ですネ。(市川市・木ノ内様)
<壮大なご感想、ありがとうございます。たしかに混在感にあふれる番組でした。>
以上、たくさんの熱いご感想をありがとうございました。
- 2020/01/04(土) 09:58:21|
- 十七日寄席記録
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11月の十七日寄席は桂やまと師匠の独演会でした。
枕は長唄の名取になったお話。名披露目の会へむけての苦労や、その会で大師匠・古今亭志ん朝の出囃子「老松」を演奏することなどに触れました。
一席目は「熊の皮」。落語ではお馴染み、かかぁ天下の夫婦の笑いです。本来はアダルトなオチなのですが、近年は演出が変わり、今回もみんなで笑える楽しい一席でした。

続けての二席目は「四段目」。上方(大阪)では「蔵丁稚」という演題です(私はこっちの方が気に入ってます)。本格的に邦楽を習い始めてから、歌舞伎を見る目が変わったというやまと師匠。劇中劇の芝居の場面もたっぷり演じ、丁寧な台詞や仕草など、見ごたえがありました。さすが名取りです!
中入りをはさんでトリの一席は「宿屋の仇討」。機嫌の悪い侍と騒がしい江戸っ子三人の対比が面白く、間に入る宿屋の男が噺のテンポを整えます。ぐっと引き込まれ、パッと笑いの起こる、素晴らしい一席でした。

今回のネタ帖はこちら
アンケートもいただきました。
●たっぷりたのしみました。ありがとうございました。(直様)
<本当にどれもたっぷりな三席でしたね。こちらこそありがとうございます。またのご来場をお待ちしております。>
※当日は満員のお客様でしたが、やまと師匠の会はシャイな方が多い様です(笑)。
後日やまと師匠から、長唄に関して素敵なメッセージをいただきました。(以下抜粋)
「長唄は落語とは直接的な繋がりがないように見えて、演者の一人として知識や間の取り方に非常に影響を与えてくれていることを実感しています。
囃子方は「掛け声」がとにかく大事で、発声だけでなく、息を詰めなければ掛け声にならない箇所や、同じ「ホー イヤァ」でも歌詞の情景をふまえて強弱が必要です。常に間に気をつけ、そして曲のメリハリをつける……これも見事に落語とリンクしています。
師匠初寿三の薦めもあり、(一社)長唄協会にも名取を機に入会させていただきました。落語界におきまして、太鼓・鼓の邦楽囃子で名取になっているのは東西合わせても二人だけです。上方の桂米左師匠、そして桂やまとです。東西に一人ずついることになります。どちらも望月流です。
これからも噺と同様に長唄を真剣に学び続けてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。」
- 2019/12/15(日) 12:33:11|
- 十七日寄席記録
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10月の十七日寄席は立川吉幸師匠、5月に真打となって初めての会でした。
競輪の営業の話や台風での出来事など、身近な話題でたっぷりのまくらです。
1席目は「真田小僧」。利発な子どもが親をやりこめる噺はいくつもありますが、この噺もその一つ。通常寄席等では前半で切ってしまうことが多く、演目の由来である講釈の件まで演ることは希ですが、この日は振りから下げまでたっぷりと聞かせてくれました。

続けて2席目は、やきもちの枕から、亭主への嫉妬を描いた「権助魚」に入りました。権助の野暮ったさが大きく描かれ、笑いの絶えない高座でした。

中入り後の1席は「短命」。察しの悪い八っつぁんに短命の理由をあの手この手で気付かせようとする中には、かなりキワドイ台詞があったのも今宵ならではの一興でした。

この着物も競輪の柄ですね。
以前より確かな実力の吉幸師匠、いずれをとっても熱演、充実、満足の3席でした。入門から22年、噺家としては数奇な運命の末、ついにたどり着いた真打の座。その姿に万感込み上げるものがありました。今後の益々のご活躍を祈念して止みません。
今回のネタ帖はこちら

以下は当日のアンケートです。
●吉幸さんの十七日寄席、毎回楽しませて頂いております。今日もパワフルなご隠居と八っつあんの掛け合いに満足いたしました。(新座市・餃子ブルエン様)
<迫力と爆笑の、すばらしい高座でしたね。また次回もご来場をお待ちしております。)
●とても良かったです。(足立区・宇賀神様)
<ご来場ありがとうございます。どれも素敵な高座でしたよね。またお越しくださいね。>
次回は来年の2月。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。
- 2019/10/27(日) 11:16:22|
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9月17日は神田春陽・金原貞馬治お二人の会でした。
一席目は春陽先生で「荒大名の茶の湯」

茶会に招かれたが作法を知らない大名たちは心得のある者をそっくり真似たり重なる失態で茶室はしっちゃかめっちゃか。春陽先生の所作も相まって、大笑いの一席でした。

二席目は馬治師匠、ネタ出しの「英国孝子ジョージスミス之伝」です。

イギリスの地名人名を日本のそれになぞらえて物語は進みます。馬治師匠いわく、全て演じると7~8時間もかかるという長い物語だそうですが、この日は序の一端でした。それでも円朝ならではの凄惨場面もあり、熱演を見せてくれました。続きが気になる一席でした。
中入りを挟んで後半は春陽先生ネタ出しの「八丈島物語」です。

関ヶ原の戦いで西軍として敗れ、八丈島に流罪となった宇喜多秀家をめぐる物語です。武将たちの運命は明暗分かれましたが、互いに尊敬の念を忘れず、秀家にも光が差します。じっくりと聞かせながらも所々雑談を交え、楽しく充実した高座でした。
今回のネタ帖はこちら

当日のアンケートのご紹介です。
●聞いたことのない話ばかりで非常に楽しかったです。(世田谷区・遠藤様)
<珍しい演目に接するのは嬉しいことですよね。こちらも勉強になります。>
●久し振りに楽しませて頂きました。いつもながら素晴らしい講談でした。(佐倉市・古屋様)
<ご来場ありがとうございます。どれも聴きごたえのある高座でしたね。>
●とても楽しい時間を過ごさせていただきました。(千葉市・嶋田様)
<お楽しみいただけて何よりです。またのご来場をお待ちしております。>
●とてもおもしろかった。また、お願いします。(世田谷区・柴生田様)
<こちらこそまたよろしくお願いします。>
●次世代の講談を担うのは春陽先生、貞橘先生、鶴遊先生であろう。それぞれ異なる趣の講談(話芸)である。お客はそれぞれフィーリングの合う先生の語りを聴くとよい。(渡辺様)
<魅力あふれる中堅・若手が続き、この先の講談も楽しみですね。>
ご協力ありがとうございました。
- 2019/09/23(月) 15:02:12|
- 十七日寄席記録
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8月17日は講談の一龍斎貞友先生の会でした。
当日は酷暑にもかかわらず、貞友先生のファンで満席になりました。
お待ちかねの一席目は古典「無筆の出世」。低い身分から勘定奉行まで上りつめた、松山伊予守治助の出世譚です。

一席を終えて、十七日寄席世話人の大友浩とのトーク。長年の付き合いがある二人の掛け合いに笑いが起きます。

続いては大きな絵本「おこだでませんように」の読みがたりです。声優としても活躍する貞友先生の語りで、ほっこりと感動が広がりました。

中入りを挟んで後半は新作「幸せの黄色い旗」。中年バスガイドの哀愁をコミカルに描いた、笑いと感動の一席でした。

直筆のネタ帖はこちら。

以下は当日のアンケートです。
●仕事帰りに偶然チラシを見かけ、初めて寄席を見ました。お話が面白い‼ 勢いがすごい!! チョイスされる話がいいお話なのも、いいです。憲法前文の噺も聞いてみたくなりました。(川崎市・喜多様)
<また貞友先生とご相談して企画も考えていきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。>
●①お話の中で鳥肌が立ちました。また絵本が読みたくなりました。②私も職場では中堅。心にささりました。今日もとってもよかったです!(足立区・藤本様)
<それぞれお楽しみいただけて良かったです。>
●一席目と二席目が全く異なるテイストで楽しかったです!(匿名様)
<貞友先生ならではの振り幅が素敵でしたね。>
●講談は2回目ですが、1回目より2回目と良さがわかってきた気がします(葛飾区・岡部様)
<嬉しいお言葉ありがとうございます。今後もどんどん楽しんでください。>
●いっぱい笑って少しホロッとして、今年も楽しい時間でした。(匿名様)
<またのお越しをお待ちしております。>
●幸せの・・・は貞友さんにぴったり!さすが!です。(墨田区・uncle joe様)
<楽しい高座でしたね。また次回が楽しみです。>
●絵本の読みきかせもとても良かったです。(中央区・角田様)
<声優としての顔でも楽しませてくださいました。>
●とても心あたたまるお話で今日も貞友さんのお話をきけて良かったです。(渋谷区・福渡様)
<高座も物語も充実でしたね。>
今回は初めて講談をご覧になった方が多かったようです。
●人生初の講談でした。気づきの多い、良いお話をありがとうございました。(匿名様)
●初めてみせていただきました。情景が目に浮かび、とても楽しめました。(匿名様)
●初めて講談を聞きました。わかりやすかったです。(新宿区・松崎様)
●初めて講談というものを見ましたが、とても楽しく、この時間があっという間でした。(深谷市・佐々木様)
他にもご意見いただきました。
●紙しばいっぽいのよかったです(新宿区・岩佐様)
●大変良かったです。(新宿区・菊地様)
●すばらしい(新宿区・木村様)
皆様、ご協力ありがとうございます。
- 2019/08/18(日) 13:51:14|
- 十七日寄席記録
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当日の会場はお陰さまで満員御礼、期待と熱気で開演前からハイテンションです。
まずはいつものように陽・昇さんお二人による前説。フリートークから早速の爆笑です。

今回のゲスト一組目はおせつときょうたのお二人。がっちり大柄なおせつさんと小柄でおかっぱ頭のきょうたさんは共に大阪出身。おせつさんの弟は上方落語の桂華紋さんだそうです。今年の漫才新人大賞で優勝した、漫才協会期待の有望株です。フレッシュな高座で笑わせてくれました。

陽・昇さん前半の一席は期待通り爆笑の連続です。「北海道、青森…」も出ました!

中入りを挟んで後半は好田タクトさんです。指揮者のけいたい形態模写で各方面で活躍されています。

客席も巻き込んでの熱演から始まり、小澤征爾、カラヤン、朝比奈隆など、有名指揮者の物真似で楽しませてくれました。現在は落語芸術協会にも所属しているため、寄席で会えます。

そしておしまいは落語漫才「厩火事」。おかみさんが主役となれば、当然昇夫人の大活躍です。緻密なネタとスピード感に圧倒されながらも、最初から最後まで笑いっぱなしでした。

今回のネタ帖はこちら。

当日のアンケートのご紹介です。
●陽・昇さん 今日もつかみがサイコーでした! おせつときょうたさん、すでにバレてるとこおもしろかったです! 陽・昇さんのE席のくだり笑いました♡ あと陽・昇さんの奥さんが保険屋のくだりもおもしろかったです(笑)(新宿区・アンドレ・ドラゴンモンド様)
<楽しんでいただけて嬉しいです。ありがとうございます>
●まだまだ進化してる! キレッキレ、あきさせない。ブログコメントの申込なんとかしてください(笑)(福田様)
<ブログコメント申込につきまして、ご意見ありがとうございます。>
●2年ぶり(?)に来られてうれしかったです!2年分笑えました~☆ タクトさんもはちゃめちゃでおもしろかった(笑)(飯塚にゃん様)
<久々のご来場、ありがとうございます。また近々よろしくお願いします。>
●おもしろかったです。ほかの方も新鮮で楽しみました。お二人の息が合って、さすがお見事です。また見に来ます。(江東区・てつ様)
<ゲストの方も楽しみな会ですので、またのご来場お待ちしております。>
●陽・昇さんもいつもながら面白かったけど、好田さん、おせきょうさんも面白かった(好田さんはめずらしい芸を見た感じ)(北区・高橋様)
<好田さんのパフォーマンスは貴重ですからね。楽しんでいただけて何よりです。>
●すごく楽しくて、いっぱい笑いました。ゲストの人も最高でした。内容のめっちゃ濃い2時間でした。(板橋区・ごえもん様)
<笑いっぱなしの二時間でしたね。>
●いつも楽しくみさせてもらって嬉しいです。ゲストも楽しいです。(萩原様)
<ありがとうございます。次回も是非いらしてくださいね。>
●相変わらず楽しい会でした。(中野区・米澤様)
●楽しみにしてます!! 毎回新人さんおもしろいです。次回も超楽しみにしてます。(中野区・米澤嫁様)
<毎回ご夫婦でありがとうございます。>
●毎回元気をいただいています。本当に楽しいひととき、帰りの足取りも軽くなります。(小平市・OMS様)
<明るく楽しい気持ちでお帰り頂ければ本望です。>
●今日のゲストは大変楽しかった。好田タクトさん、おせつときょうたさん、良かったです。宮田陽・昇さんもいつ聞いてもおもしろいです。(千葉市・豊島様)
<次回も漫才、ゲストとも期待してください。>
●4月に観覧以来3ヶ月振りに来る事が出来、大変楽しい時間をありがとうございました。(柏市・米澤様)
<毎回のご来場ありがとうございます。>
他にもたくさんのご回答をいただきました。
●また宮田陽・昇さんを観たいです。(千代田区・岡本様)
●たくさん笑いました! これからもがんばってください。(みひら様)
●おもしろかった。今年もう一度見たい(浜名様)
●毎回大笑いです。(杉並区・萩原様)
●大笑いでした!(杉並区・末次様)
●みなさん面白かったです(小山市・絵玲奈様)
●毎回楽しみにしてます。(新宿区・若尾様)
●ブラボー!(川崎市・黒澤様)
●面白かったです!(世田谷区・渡部様)
●いつも楽しいです(江東区・NORI様)
●楽しかったです。久しぶりに笑いました。(小諸市・米澤様)
●今日の話だがとてもおもしろい。(千葉市・秋山様)
●宮田さん、おせつときょうたがおもしろかったです。また楽しみにしています。(匿名様)
●陽・昇先生とても良かったです。ずっと笑いどおしでした。(匿名様)
●めちゃくちゃおもしろかったです!!(匿名様)
●おもしろかったです(匿名様)
●沢山笑いました(大田区・匿名様)
今回もたくさんの皆様にアンケートにご協力いただき、本当にありがとうございます。
- 2019/08/11(日) 14:28:23|
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6月17日は春風亭朝之助さんの会でした。
一席目は「猫と金魚」。無骨そうな番頭さんの粗忽な奇行が笑いを誘います。

二席目は「壺算」。初めは調子のいい店の男が、熊さんの口車に乗せられて次第にこんがらがっていく様が滑稽です。

三席目はネタ出しの「転宅」。間抜けな泥棒に焦点があたり、これも楽しい一席でした。
中入りを挟んでトリの一席は「明烏」でした。うぶで頑なな若旦那とちょっと凄んで見せる源兵衛と太助。若手の朝之助さんならではの、それぞれの登場人物が若くて瑞々しい高座でした。

当日のネタ帖はこちら

を手に一枚。

たっぷり4席、あっという間の充実のひとときでした。
以下は当日のアンケートです。
●いつもパワフルな朝之助さん。「壺算」はもう朝之助ワールド全開でした!圧が強いキャラクターは最高です(第1回も拝見しました。4席堪能いたしました!! また是非!(目黒区・紺屋高尾様)
<ご満足いただけたようで良かったです。またのお越しをお待ちしております。)
●たっぷり4席楽しみました。「転宅」、また聴いてみたいです。「壺算」、好きです。今後の更なるご活躍を!「明烏」、良かったです!(イッチョーケンメー様)
<聴きごたえのある4席でしたよね。我々も見ていて嬉しくなっちゃいました。>
●朝之助さんは座るだけで落語の雰囲気がある。昔から注目していました。物腰も芸人らしくてGoo!(男は愛嬌、女は度胸!?)今後大きく化けると信じています。期待しています!(横浜市・黒田様)
<当会をはじめ、引き続き応援よろしくお願いします。>
●とてもたのしい時間をありがとうございました。ネタおろしの「転宅」も良かったです。朝之助さんらしい熱演これからもたのしみにしております。(板橋区・篠澤様)
<楽しんでいただけて何よりです。またご出演いただきますのでよろしくお願いします。>
●「明烏」の熱演、楽しませていただきました。又の高座を楽しみにしています。(目黒区・山内様)
<楽しんでいただけて良かったです。またのご来場お待ちしております。)
●初めて寄席を観に来ました。またよせていただきたいと思いました。(東京都・匿名様)
<当会は毎月開催ですので、またお気軽にお越しください。)
●初めての寄席、楽しませていただきました。ありがとうございました。(埼玉県・和久津様)
<こちらこそありがとうございます。またいらしてくださいね。)
●又、きます!(川崎市・ぐうにゃん様)
<お待ちしてます!>
- 2019/07/07(日) 17:36:48|
- 十七日寄席記録
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